因果応報を受けたのに…不倫相手と別れたくない
不安定な心
自分のせいで夫は死んだ。悲しい、悔しい…でも少しだけ安堵している自分もいました。
え?安堵??なんて思考が働くんだろう、薄情な自分にあきれ返ります。
こんな状況に陥っても、人は自分が一番かわいいものなのですね。彼の死を正当化し「死んだけど、私は夫から解放されたではないか」という思いが時々よぎりました。
さて、マサ(夫)に不倫がバレたその後、夫には「不倫相手とは縁を切る」と言い、不倫の謝罪を続けていたわけですが、結果、彼と別れることはできませんでした。
夫に不倫について責められる毎日、精神的に追い込まれる私…頼る先は、不倫相手の藤井くんだったのです。
朝まで責め続けられ、眠る事もできなかった私の様子を見て、とても心配してくれました。「コン(私)の旦那さんに、謝りにいくよ」とも言ってくれましたが、彼と夫を会わせたら、それこそほんとに「56し」に発展しそうで、とても会わせることなんてできませんでした。
夫が死んで、しばらく仕事を休んでいた間も、周囲に【自〇で夫が死んだという事実】が発覚しないよう、うまく動いてくれていました。
おかげで、勤務先では「夫は脳出血で亡くなった」との認識を持ってくれたので、私は藤井くんと同じ職場で働き続けることができたのです。
当時の彼の支え無しでは、私も今この世にいなかったかもしれません。
彼に甘え、支えられ、私の不安定な心は少しづつよくなっていくのでした。
優しいキス
私が職場復帰する前日、藤井くんと、あるファミレスの駐車場で待ち合わせをしました。彼の車を見つけ、助手席に乗り込む私。ピークの時間帯が過ぎていたので、人も車もまばらでした。
甘い香りと彼の煙草の匂いが入り混じる車内で「夫が死んでからこの先が不安で気持ちが落ち着かない」ことや、「こんな状況なのに藤井くんのことが好きですきでしょうがない」ことなどを話し、彼は優しい眼差しを向けながら、うんうんと聞いていました。
別れ際、彼から「キスしてもいい?」と聞かれ、私は「今はそういう気持ちになれない。でも軽くならいいよ」と返すと、そっと唇を合わせてくれました。ほんのり甘くて包み込まれるような優しいキス…彼の顔がすっと離れる瞬間、涙が私の頬をつたいました。
彼のことを愛してる…別れたくない…
不倫相手と再び結ばれた日
元夫の49日が過ぎるまでは喪に服すため、藤井くんとはあのキスの後から、連絡すら一切しない状態が続きました。
とはいえ、同じ職場にいるのでお互いの様子は気にしつつ、毎日を過ごしていました。
忌明けしてから、しばらくして二人で会う約束をしました。
二人が再び関係を持つことに神様は反対していたように、その日は強風で横殴りの雨でした。
雰囲気のよいカップル向けのお店でお酒を酌み交わし、最終的に行き着く先は…
神様の反対を押し切り、またあの時のように、ホテルへ向かいました。
でも、初めて結ばれた時とは、二人の想いが全く違う。
身体の関係を初めて持った当時は、彼にとって私は『火遊び』程度の相手だったようです。
でも、今は「コンを愛してる、だから最後までしたい」と言ってくれました。
私もまた『好きだけど、夫から現実逃避させてくれる優しいだけの人』として見ていましたが、
今は違う。藤井くんを愛してる。彼のすべてを知りたい、受け入れたい。ずっと愛し続けたい。
こうして、想いを確かめあうように、二人は無機質で大きなベッドへ誘導されるのでした。
ベットの上での出来事は夢のような時間でした。とても長くて、でも一瞬のように短い。
彼の全てを知りたい、私のすべてを見てほしい。私たちは長いながいキスを交わしながら、あふれ出る愛の濃縮果汁をお互いの身体にからませ、一緒にピークに達した。
交わり後の【気だるい薫り】につつまれながら、彼は私の目をじっと見つめ、ゆるんだ私の唇をまさぐるようにゆっくりとキスをした。
私は、ほんのり汗ばむ彼の背中を、愛おしい気持ちを両手に込めて、ぎゅっと抱いた「神様、ずっとこの時間を私にください」
藤井くんとはホテルで一晩過ごしました。肌をくっつけながら無防備に眠る彼をしばらくの間見つめていた。人をこんなに愛したのって、いつぶりだろうか。
「彼を私だけのものにしたい…」
でも翌朝につらい現実が私たちを待っていました。彼は家庭に戻る。私は娘たちのところへ戻る。
娘たちは、彼に会うために実家の母親にウソをついて預けていましたので。
やっぱり、不倫して『幸せになんかなれない』とそのときは思ったのですが、元夫の自〇を経験した、地獄の底に落ちた私は『恐いものは無い状態』になっていました。
それよりも『ありのままの自分でいるために、藤井くんを愛す』ことを優先してしまったのです。
こうして、藤井くんと、ド本物の不倫関係になり、7年間(一時別れて1年間の中断期間あり)もの間、『誰にも言えない』秘密の付き合いが始まってしまったのでした。
